山口伊太郎の着物の買取り相場はオークションではいくらなの?
帯で有名な山口伊太郎の作品を売る際は、まずその相場をチェックしましょう。
ネットオークションの山口伊太郎の相場を調べてみると平均18,000円程度で買取りされています。
中古品の高値は15万円で売る事ができた例があります。
しかし、この値段はあくまで目安に過ぎません。
山口伊太郎の作品の価値は着物への深い知識がないと分からないので、着物専門の買取り店に査定してもらうのがおすすめです。
こういった店は宅配買取りや訪問買取りに対応しているので大変重宝します。
山口伊太郎の着物の特徴
山口伊太郎は昭和から平成にかけて活躍された西陣織の織匠です。
彼の仕事は意匠や素材、織組織などに配慮しつつ、製作の過程や職人をまとめる、プロデューサーのような役割です。
文様織物の第一人者と呼ばれる実力者ですが、なんと人間国宝の推薦を断っています。
このことに、山田伊太郎氏は「人間国宝は誰でもなれる、誰にもできない織物をつくりたい」という考えがあったそうです。
山口伊太郎は1901年に京都で生まれ、父親は西陣織職人をしていたため、幼いころから織物への親しみを持っていました。
優秀だった山口伊作氏は小学校を首席で卒業し、上級学校への進学の話もありましたが、家には兄弟も多く、親への負担を減らすために進学を断って親戚が営む織屋へ奉公に出たのです。
そこで経験を積み、その10年後わずか18歳で独立を果たし、それ以降はあらゆる織技術を模索しながら独創的な帯を作りだしていました。
作りだされた帯は問屋を通すことなく、百貨店へ直接売り込むという当時では異例の流通を行い、それが功をなして事業拡大に成功したのです。
ところが、戦争の開始と共に贅沢品の販売が禁じられ、西陣の人々も徴用や収集を受けたことから織物業が中断されました。
戦後は紫紘株式会社して、見事に織物業の復興を果たしたのです。
山口伊太郎の織物はどの作品も絢爛華麗なものばかりです。
特徴としては花文様のものが多く、5年の歳月もかけて菊の表現を思考錯誤し、1984年に制作された「菊花文」、1978年に作成された妙心寺の花卉図屏風をモチーフにした「牡丹」などの作品があります。
また、まるで京都北部の秋をイメージした「洛北錦秋文」は木々の色合いが優しく愛らしいデザインとなっており、絵羽紬や光沢感のある草木染の紬などぴったりです。
開業後は新しい織物を数々作り世に送り出していた山口伊太郎は、70歳をおきに織物業を離れました。
そして、西陣織を後世へ伝えられる作品をつくるために「源氏物語錦織絵巻」の制作を試みました。
題材となったのは国宝の源氏物語絵巻で、退職した部分や剥がれ落ちた部分をただ復元するだけではなく、織だから成し遂げられる立体感と質感での表現に追求したのです。
様々な問題が重なりましたが、西陣織の技術に最新のコンピュータ技術や劣化を恐れないプラチナ箔の開発が加わり、無事に完成を果たしました。
ところが、山口伊太郎は完成前に亡くなり、完成形を見ることは叶わなかったのです。
源氏物語錦織絵巻はギメ東洋美術館、紫紘株式会社で収蔵されており、フランスからレジオンドヌール勲章オフィシエ文化芸術章を授与される最高の作品となっています。
山口伊太郎の着物を高値で売るコツ
山口伊太郎は人間国宝ではないものの、織技術は優秀で着物や帯も一点のみでも高額買取に期待できます。
査定はシミや汚れ、シワによって価格が左右されるため、丁寧に保管をした作品はかなり高額買取が望めるでしょう。
軽いシミが気になると不安になっている方は、着物専門買取業者の利用がおすすめです。
着物専門買取業者の中には多少のシミやシワ、古着物でも着物や帯が持つ正しい価値を調べ、納得のいく価格で買取してくれます。
お店へなかなか行けない、大量に着物や帯を売りたいという場合や、無料の出張査定や宅配買取を行っている業者も多いので便利です。
山口伊太郎の着物や帯を高額買取してもらう場合は、ぜひ着物専門買取業者を利用してみましょう。