十日町明石縮の着物の買取り相場はオークションではいくらなの?
十日町明石縮の着物をタンスの奥に眠らせている方も多いのでは?
十日町明石縮を売る事を検討しているのなら、まずはその買取り相場を知っておきましょう。
ネットオークションで売るケースを調べてみると、平均28,000円程度で買取りされています。
中古の最高値は夏物の十日町明石縮で28,501円で売る事ができています。
逆に最安値は夏用の単衣が1000円。
価格の幅が非常に広いのが特徴ですが、もちろんこの数字は目安に過ぎません。
十日町明石縮の着物を高く売るのならその価値が分かる着物買取専門に見てもらうのがおすすめです。
着物への深い知識を有した鑑定士が丁寧にその真価を見定めてくれます。
十日町明石縮の着物の特徴を徹底解説
十日町明石縮の特徴は、強撚糸の緯糸です。
八丁撚糸機を使って27デニールの糸に1メートルあたり約4,000回の撚りをかけます。(大正時代は14デニールを使用していたようです。)
強撚糸なのでかすかな不純物が混じっていてもよくわかりませんが、まっすぐ糸を伸ばさない限り、汚れや不純物が濃く目立ってしまいます。
ですから繭の最初と最後の方は糸を使用せず、不純物の少ない真ん中部分の最高級の糸を原料にして明石縮は作られているのです。
糸染め、絣、巻き、織りとそれぞれ工程がありますが、薄物ゆえ通常の織物よりも技術や集中力、責任感が問われます。
このように最高級糸に高度な撚糸技術を加えることは、織物職人のプライドとも言える洗練された熟練技です。
繊細で緻密な工程をいくつも重ねることから「蝉の翅」と呼ばれ、十日町小唄にも「着たら放せぬ味の良さ」と唄われ親しまれています。
【十日町明石縮の製作工程】
- 設計
着物の構図や配色などを考えます。 - 染色
緯糸は涼感を出すためにあえて精錬を行いません。
生糸の状態で染色や糊付けをしています。 - 手延べ
設計図に基づいて、長さを揃えて柄ごとに必要な本数を束ねていきます。 - 絣巻
設計図の絣柄の位置は、経糸が合うように固定し本枠に巻き付けます。 - 製織
織傷などが出ないように、注意深く織り上げていきます。
【明石縮の歴史】
十日町明石縮は、今から約400年前に播州明石の乗船大工の娘「お菊」がかんなくずをヒントに考案された織物です。
また、明石藩主の小笠原氏が国替えになり、豊田小倉でも生産されるようになりました。
それから明治20年頃、新潟県柏崎町の「越後縮問屋・洲崎栄助」が明石縮を研究していることを知り、西陣よりも湿度が高く強撚糸という優れた技術を持つ十日町が織るのに適した場所と考えました。
昭和4年に「十日町小唄」がCMソングとして流たことで十日町明石縮が全国に広まり、昭和7年には27万反の生産数に達し、産地全体の70%を占めることになりました。
十日町明石縮の着物を高値で売るコツ
十日町明石縮の着物は、さらりとした感触で女性向けの高級夏物生地として非常に有名な着物です。
撚りをかけた生糸や緯糸を強くひねった独特な手法によって織られているため、高値で売れる可能性も高いです。
高く売るのなら買い手選びも重要です。
買い手に着物への知識が浅いと価値を分かってもらえない可能性があります。
十日町明石縮の着物を売るのなら、着物への専門知識を持った鑑定士のいる着物買取店が良いでしょう。
こういったお店は無料で査定してくれるので大変重宝します。