加賀友禅の着物の買取り相場はオークションではいくらなの?
加賀友禅を売るなら、まずは相場を抑えておきましょう。
ネットオークションで調べてみると、1か月の平均相場が21,000円程度となりました。
もちろんこの数字は目安にすぎず、高い場合、60万円以上で買取りされているケースもあります。
ネットオークションは高値になるとは限らないため、加賀友禅を売るなら着物買取店がおすすめです。
着物買取の店は、着物への深い知識を持った査定員がその価値を判断してくれます。
高値で売るならこういった店がおすすめです。
加賀友禅なら多少の汚れやシミがあっても高く売れる可能性があります。無料査定にぜひ出してみましょう。
加賀友禅を高く売るコツ
まず、インターネットオークションでは加賀友禅を売るのは積極的はおすすめできません。
お手元の加賀友禅の価値を正確に把握できているのならネットオークションでも良いのですが、価値が分からない場合、相場より安く売ってしまう可能性があるからです。
同じような理由でフリマアプリ等もおすすめできません。
加賀友禅を売るのなら着物への深い造詣のある査定員のいる着物買取り店がやはりおすすめです。
加賀友禅を高く売るには二つの重要な要素があります。
- 落款
- 証紙
「落款」(らっかん)は品質の証明です。
加賀友禅には落款制度があり、これによって品質の確かさを保証しています。
この落款は350以上あり、それぞれの作家の作品の証明でです。
有名作家の落款があれば、当然、高値が期待できます。
「証紙」は品質の保持と類似品の防止の意味があります。
こちらは加賀友禅の着物に添付されています。
これは間違いなく本物の加賀友禅であるという証です。
査定に出す場合はこの二つをそろえるのがおすめです。
加賀友禅を買取りに出すならバイセルがおすすめな理由
自宅にある西陣織の買取りを考えているのなら「バイセル」がおすすめです。
「バイセル」は着物買取りの大手というだけでなく、安心感でも選ばれています。
その理由は以下の通りです。
加賀友禅はどんな着物?
加賀友禅とは?
加賀百万石の城下町、石川県金沢市を発祥とする加賀友禅は、京友禅、東京友禅と並ぶ日本三大友禅のひとつ。
友禅とは、手書きした絵画のような文様を糸目糊と色挿しによって描く染色技術です。
加賀友禅の文様は、草花や鳥、自然風景といった花鳥風月をモチーフとします。あえて病葉(わくらば)を描く「虫喰い」、花びらの立体感を表現する「外ぼかし」の技法が特徴です。
品格ある穏やかなデザインが持ち味なので、金箔・銀箔・刺繍といった加飾は基本的に行いません。
加賀友禅の優美な色合いは、和の伝統色「藍色・臙脂(えんじ)色・黄土色・草色・古代紫色」を基調とした「加賀五彩」の配色から生まれます。五色を巧みに調整した濃淡が、自然美の奥行きを繊細に再現するのです。
作家の個性が出やすい加賀友禅
加賀友禅の制作は、作家による図案のスケッチから始まります。図案ができたら、着物の形に仮縫いした白生地に青花(露草の一種)の汁で「下絵」をなぞり描きして、仮縫いをほどきます。
次は、反物の状態にした生地を張った状態で、輪郭線に糸目糊を置く「糊置き」です。その後も、「地入れ」「色挿し」「下蒸し」「伏せ糊」「地染め」「本蒸し」「水元」といった気の遠くなるような手作業が続きます。
京友禅が制作の工程を分業化しているのに対し、加賀友禅は、作家が制作過程の大半を担います。そのため、作家の個性が色濃く反映される点が大きな魅力といえるでしょう。
明日から加賀友禅体験する蓮オタクが多そうですね〜
加賀、金沢の和は良いぞ pic.twitter.com/4aurjG9wFm
— 緑園えぼし@蓮ノ空と石川県と国産牛のことすきすきくらぶ。蓮ノ空1st福岡両日参戦! (@ldVriLFbMq99337) October 6, 2023
加賀友禅の歴史
室町時代から江戸時代にかけて、加賀には「梅染」や「兼房染(または黒梅染)」といった独自の染色技法がすでに確立されており、「加賀御国染(かがおくにぞめ)」として名を馳せていました。
無地の染めものだった「加賀御国染」に文様が描かれるようになったのは、元号が正保(1644年以降)に入ってからです。丸を意匠で囲んだ飾り紋「色絵紋」が誕生し、現在よく知られている「加賀紋」「洒落紋」の原点となりました。
元号が享保(1716年以降)に変わる頃、京都で人気扇絵師として活躍していた宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)が生まれ故郷の加賀へ戻って来ます。
友禅斎の扇絵は、その名をとって「友禅模様」と呼ばれ、小袖の文様としても大流行していました。
なお、昭和30年頃まで友禅斎が友禅染めの創始者とされていましたが、厳密にはあくまも図柄や文様のデザイナーであり、技術的な関わりはなかったことが近年明らかになっています。
糊置きや色挿しといった友禅染めの技法は、友尽斎清親(ゆうじんさいきよちか)という染め工によるもので、小袖模様雛形本『友禅ひいなかた』に技法が記されています。『友禅ひいなかた』とは、呉服屋に必ず置いていたという最新の見本帳、今でいう商品カタログです。
歴史ある「加賀御国染」に、流行りの「友禅模様」、そこに糊置きと色挿しという当時最新の技法が加わり、「加賀友禅」は完成に至りました。
加賀友禅にまつわる代表的な作家
ここからは、加賀友禅を代表する作家として、昭和30年に人間国宝に認定された木村雨山(きむらうざん)、ユニセフ・グリーティングカードなど海外の評価も高い由水十久(ゆうすいとく)、昭和63年に人間国宝に認定された羽田登喜男(はたときお)の作品の特徴と魅力についてお伝えします。
木村雨山
1891年石川県金沢市に生まれた木村雨山は、加賀友禅で初めて人間国宝に認定された人物です。
高等小学校を卒業後、加賀友禅の名工として知られた上村雲嶂に師事。また、南画家の大西金陽からも日本画の基礎を学んでいます。
昨日は #文鳥の日 でしたね!一日出遅れましたが、当館所蔵品の木村雨山「加賀友禅花鳥文振袖」の文鳥さんを紹介します。
昨年度の特別展では漫画家の波津彬子先生にこちらの振袖をモチーフにポスターを描き下ろしていただきました❣️ pic.twitter.com/V1xYSqYq92— 中村記念美術館 (@nakamura_muse) October 25, 2021
1924年加賀友禅作家として独立した木村雨山は、1928年の帝展(現在の日展)に出品した「リス文様壁掛」で初の入選を果たします。さらに、1934年には「一越縮緬地花鳥文訪問着」が特選を受賞しました。
それまで帝展の工芸部門では、染めの入選といえば壁掛けや屏風が主流とされており、衣装制作として特選を獲得したのは、木村雨山の訪問着が初めてです。
その後も、1937年パリ万国博覧会で銀賞を受賞。1954年からは日本伝統工芸展へほぼ毎年出品するとともに、理事に就任しました。
1955年、重要無形文化財の保持者(人間国宝)として認定されてからは、1965年に紫綬褒章、1976年に勲三等瑞宝章をたて続けに授与され、1977年86歳で永眠します。
木村雨山は、常に新しい加賀友禅のあり方を追求し続けたといいます。着物の作品は、加賀友禅らしい外ぼかしや緻密な写実性といった作法が守られていますが、絞りや刺繍、箔や金泥などを積極的に取り入れています。
帯の作品においては、流れるような加賀友禅だけでなく、更紗文様を彷彿とさせる可愛らしい加賀紋や華紋をあしらった名古屋帯も数多く手掛けました。
由水十久
由水十久は、1913年に石川県金沢市で生まれた加賀友禅作家。10歳から画家の玉井紅隣に日本画の手ほどきを受けました。実は画家になりたかったけれど、両親の反対で断念したといいます。
14歳で京都の紺谷静蕉の門下に入り、本格的な友禅の修業を積んだ後、1938年に友禅作家としての独立を許されます。
しかし運悪く、時代は日中戦争が激化していく最中でした。友禅の注文など当然ありませんでしたから、当時は機械の図面描きなどをして凌いでいたそうです。
戦争が終わり、1947年に金沢へ戻った由水十久は、「東海道五十三次の精密描写」「源氏物語」を題材とした作品を発表。その後も、1988年74歳で永眠するまで、能や歌舞伎、古典文学といった幅広いテーマで制作を行いました。
加賀友禅 几帳「藤壺」初代由水十久
加賀友禅特別展2018
1月4日より16日まで加賀友禅会館にて開催中#加賀友禅 #加賀友禅会館 #加賀友禅特別展 #岡本光谿 #木村雨山 #談義所栄二 #初代由水十久 pic.twitter.com/T6qRmMKotV— 加賀友禅スタッフ (@Kagayuzen) January 5, 2018
草花や鳥を描くことの多い加賀友禅ですが、由水十久は人物画を好みました。とりわけ思い入れが強かったのが、「うなゐ」という髪型をした愛らしい子ども。文様としては、童子・童・唐子などと呼ばれます。
加賀友禅の技法で写実的な人物画を描くのは、非常に高い技術が必要とされます。
1977年に伝統工芸士、1978年に石川県の指定無形文化財加賀友禅技術保持者として認定されました。
また、由水十久は海外からの評価も高く、1982年にはイギリス、西ドイツ、アメリカで個展を開催。1984年のユニセフ・グリーティングカードに「うなゐ」の作品が採用されています。
羽田登喜男
1911年石川県金沢市で生まれた羽田登喜男は、14歳で南野耕月師へ入問して加賀友禅を習得し、20歳になると京都の曲子光峰のもとで京友禅を学びました。1937年に独立を許されて加賀友禅作家となります。
羽田登喜男の作品には、写実的な加賀友禅と華麗な京友禅の技法が融合しているため、その独特の世界観は「羽田友禅」と呼ばれています。
構図は加賀友禅的ですが、文様自体に振り金砂子や半忙染といった京友禅の技法を数多くあしらっている点が、羽田登喜男の特徴です。
京都の手描き友禅作家、羽田登喜男の作品です。
加賀友禅、京友禅は着物好きな方にも人気のお着物です。
作家物、証紙、しつけ付きの着物であれば、買取価格もアップいたします。
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例えば「羽田友禅」を代表するモチーフ「鴛鴦(おしどり)」は、加賀友禅らしく細部まで緻密に描かれており、飾り羽には京友禅らしい華やかな金箔が蒔かれています。
制作過程においても、京友禅で一般的な分業制を良しとせず、工程の大半を羽田登喜男本人が手掛けました。作家が工程を担うのは、加賀友禅の伝統に倣っています。
1976年に藍綬褒章、1979年に紺綬褒章を受賞。また、1986年に来日したイギリス王室のダイアナ妃へ、京都府民を代表して本振袖を献上したことも話題となりました。当日ダイアナ妃が着用していた帽子と同じ橙色の本振袖は、吉祥文様の「瑞祥鶴浴文様」でした。
1988年、羽田登喜男は重要無形文化財の保持者(人間国宝)に認定されました。その後、2008年に97歳で永眠しますが、その前年まで精力的に制作活動を続けていたといいます。
加賀友禅の買取りまとめ
今回は加賀友禅の買取りを特集しました。
加賀友禅は作家によって、品物によって大きく買取り額が変わります。
特に「落款」と品質を証明する「証紙」は重要なので、買取りに出す際は必ず一緒に添えましょう。
保存状態が良いものはもちろん買取り額が期待できますが、多少のよごれやシミ、虫食いなどがある場合でもあきらめず査定に出すのがおすすめです。
着物買取り店は着物に精通した査定員がいるので加賀友禅の価値を丁寧にみてくれます。
無料で査定に応じてくれるので気軽にみてもらいましょう。
証紙があるに越した事はありませんが、証紙がなくても、目利きにすぐれた専門の査定員がその価値を見極めてくれます。