羽越しな布の買取り相場はオークションではいくらなの?
日本三大古布として数えられている羽越しな布を売る場合、まずは買取り相場のチェックが大切です。
羽越しな布をネットオークションで売るケースだと、中古の最高値は6,000円です。
逆に最安値は長襦袢を3,000円で売る事ができています。
羽越しな布は出品数が極めて少ないため、あくまでこれらの数字は目安に過ぎません。
羽越しな布を高値で売るのなら、その価値が分かる鑑定員のいる着物買取店にみてもらうのがおすすめです。
こういったお店は無料で査定してくれるので鑑定額に満足なら売る事を考えてみましょう。
羽越しな布の特徴を徹底解説
羽越しな布は主に山形県鶴岡市(旧温海町)と新潟県村上市(旧山北町)で織られていました。
女性の仕事として織られており、貴重な収入源になったとされています。
しな布自体、いつから製織されるようになったかは明確にされていませんが、平安時代中期には延喜式の貢物に信濃布が明記されているので、その当時には織られていたと言われています。
もともと日本は縄文・弥生時代に、科(シナ)、楮(コウゾ)、惟(コレ)、藤(フジ)、葛(クズ)、苧麻(チョマ)といった草木の繊維で糸を精製し、自家用の衣装や装飾品などに織り上げて使っていました。
しな布は全国的に生産されていますが、羽越しな布の由来はかつての山形県庄内地方の旧名は羽前の国であり、また新潟県は越後の国だったので、2つの旧名の頭文字をとって命名されたようです。
明治あたりから紡績技術が発展したことで絹や木綿が普及し、生産が少なくなり、羽越しな布の用途も農作業の仕事着や漁網、敷布などの収納袋など一部の生活用品に限定されていきます。
経済の成長や生活の近代化により、羽越しな布は急速に需要が減っていきました。
昭和後半は産地が地域おこしや伝統工芸品のニーズが強まったことで生産活動が拡大しており、現在も一部で昔ながらの技術で生産が続いています。
羽越しな布は山間部で育つシナノキの樹脂から剥ぎ取れる靭皮の繊維を、1年以上じっくり時間をかけて糸にし、布状に織ったものです。
繊維なので肌触りはざっくりとしており、自然素材独特の落ち着きのある風合いが魅力でしょう。
また、丈夫な上に水に強い特性を持っているので、かつては生活用品として幅広く使われており、現在は帯、バッグ、巾着、帽子など様々な工芸品として活用されています。
鶴岡市関川地区は積極的に羽越しな布の生産を行っており、また後継者を育成する研修事業やシナノギの造成地での植木作業など様々な取り組みを行っているようです。
また、村上市でも羽越しな布を織る体験や製織の見学などが行われています。
羽越しな布は2005年9月に伝統工芸品と経済産業省によって指定されています。
これは一般的な伝統工芸品ではなく、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき指定されたものです。
古い伝統技術と文化を継承し、しな布の持ち味を維持したこと、また現在の需要に合った製品開発などが評価されています。
羽越しな布を高値で売るコツ
羽越しな布を高値で売るのならまずは、織物の状態を確認しましょう。
シミやカビ、シワなどがあって状態が悪いものは値が下がったり、買取りしてもらえなかったりする可能性があります。
また、有名な作家や人間国宝が手掛けた織物だと評価がプラスされます。
買い手を選ぶことも高値で売るコツの一つです。
羽越しな布を売るなら、着物への深い造詣を持った着物買取店にお願いするのが安心です。
訪問査定や宅配買取りにも対応しているのでその便利さでも人気を集めています。