天蚕紬の買取り相場はオークションではいくらなの?
長野県有明付近で主に生産されている天蚕紬(てんさんつむぎ)を売るのならまずは買取り相場を知っておきましょう。
ネットオークションで売るケースだと、平均14,000円程度で買取りされています。
中古の天蚕紬の最高値は定価150万円のものを124,000円で売る事ができています。
最安値は930円からあり、価格の幅が非常に広いです。
もちろんこれらの値段は目安です。
天蚕紬を高く売るのならその価値が十分に分かる鑑定士のいる買取店にお願いするのが一番です。
こういった買取りのお店は無料で鑑定してくれるので鑑定額に満足なら売ることを考えてみましょう。
天蚕紬を高値で売るコツ
天蚕紬を少しでも高値で売るには、買い手選びも重要です。
天蚕紬に使われる天蚕糸は希少性が高く「繊維のダイヤモンド」という別名があるほどです。
せっかく価値があるモノであっても、その価値が分からない人には残念ながらただの着物の一つでしかありません。
高値での買取りを希望するならネットオークションなどでなく、着物の買取り店の無料査定に出してみるのがおすすめです。
傷やシワ、シミなどがある場合や保存状態が悪い場合は、価値が下がる傾向にありますが、天蚕紬の価値が分かる専門家がいれば安心です。
天蚕紬の特徴を徹底解説
天蚕紬とは、長野県松本市穂高町有明周辺で盛んに生産されていたため、有明紬とも呼ばれている絹織物です。
この地方では、200年以上も前から野生の蚕から繭を作り出す技法を取り入れてきました。
野生の蚕はクヌギやナラの葉を食用として育っていて、美しい緑色になるのが特徴的です。
天蚕紬は明治時代に最盛期を迎えた
約600~700m程の長さの糸を作った天蚕は、その一生を終えてしまいます。
この天蚕は自然界でここまで育っていくためには、大変な苦労があるだけでなく、生育も不安定な状態になることも多いのが実情でした。
そこで、当時の人達は、天蚕の卵を採って飼育するようになっていきました。
これを家蚕と呼び、この様式を使うことで1つの繭から倍以上の1,400mもの長さの糸が作れるようになりました。
この信州で天蚕紬が最も盛んであったのは明治時代で、明治初期から中期にかけて農家の約半分が天蚕飼育農家を営んでいました。
当時は、年間に約800万粒の繭を生産できていたのですが、害虫の被害や噴火灰などで衰退やがて衰退していきます。
それに加えて、戦後に蚕の食用であったクヌギが激減してしまったことが重なり、天蚕飼育農家の衰退に繋がっていきました。
しかしながら、天蚕繭独特の美しい光沢やシワになりにくい性質などから、一部の天蚕飼育農家によって今も伝統が守られています。
これが天蚕紬です。
天蚕によって紡がれる天蚕糸は、希少価値があることから「繊維のダイヤモンド」や「繊維の女王」という名前で呼ばれることもあります。
天蚕紬は柔らかく光沢があるのが魅力
天蚕紬は生地に光沢があり、その光沢によって光さえも反射してしまうくらいの絶妙な光加減や、薄く緑色に輝く天蚕糸にふんわり柔らかい風合いがあるのが特徴です。
結城紬や天蚕紬、岡田さん寄贈の19点 結城蔵美館に展示: 2017年1月25日(水) https://t.co/8FsnqZWsAv pic.twitter.com/wE0wRFQDrJ
— 茨城新聞社有料携帯サイト (@ibarakinm) January 24, 2017
天蚕紬は、経糸には絹糸、緯糸は天蚕と家蚕の繭、真綿を合わせて紡いだ糸が使用され、一般的な蚕が紡いだ糸に比べると、その伸びがあるだけでなく、ふんわりとしているため、織るだけでも熟練の技術が必要となります。
そのため肌触りが非常に良いだけでなく、軽さや温かささえも感じる生地が、この天蚕紬の最大に特徴になっています。
この生地に、信州の天然の植物染料を使用することで、100%信州の自然によって生まれた天蚕紬となります。
天蚕紬の買取りまとめ
今回は、「繊維のダイヤモンド」と呼ばれるほど希少性の高い天蚕糸を使って織る天蚕紬についてでした。
こういった価値の高いものを売る場合には、リサイクルショップやネットオークションはおすすめしません。
着物への深い知見がない人に査定されてしまうと、思いがけないほどの安値になってしまう事もあります。
買取りに出す場合は、天蚕紬の歴史、価値が分かる着物の専門家がいる買取り専門店に査定してもらいましょう。
無料で査定してくれるのでご自宅にある天蚕紬の価値を知るために査定してもらうのもアリです。