人間国宝である志村ふくみの着物は高い評価を得ています。
需要も多く買取価格も期待できるでしょう。
今回は実際のおおよその相場、志村ふくみの着物の基本的な知識、高く売るコツを徹底解説します。
志村ふくみの着物の買取り相場はオークションではいくらなの?
志村ふくみの着物を売るのなら買取り額の相場を知っておきましょう。
ネットオークションで志村ふくみの着物を調べると未使用品が70万円台でたった一件落札されています。
志村ふくみは人気の作家で、人間国宝も授与されています。
高値で売る事ができる着物なので、素人が参加できるネットは売るのに不向きと言えるでしょう。
高値を希望するなら着物買取店に売るのをおすすめします。
着物への深い知識を持った査定員が適正な価格で買取りしてくれます。
無料で査定してくれる所が多いので、相場を知りたい方にもおすすめです。
志村ふくみの着物を高く売るコツは!?
志村ふくみの着物は、まだ現役の作家のため、流通量が多く、比較的新しい作品などは高値で取引されています。
ネットでは安定した買取りの値段が期待できない為、着物買取店に売る事を検討しましょう。
こういった専門の買取店なら、当然、志村ふくみの着物の価値が分かります。
宅配買取りや訪問買取りに対応している所も多いので、査定だけでもしてもらうと良いでしょう。
志村ふくみの着物とは!?
志村ふくみは大正13年(1924年)に生まれて、まだまだ現役の90歳を超えた作家です。
草木染めの糸を使った紬織が有名。
染織家であり、随筆家の一面も持ちます。
滋賀県近江八幡市の生まれで、2歳のときにおばのもとに養女に出されます。
そして、16歳で機織りと出会ったのですが、結婚し、専業主婦となりました。離婚して二人の子供をもつシングルマザーとなったあと、染織に出会います。そこで、実母が学んでいた染織を、実母のもとで学ぼうとします。
ですが、子供を養父母にあずけての工芸は、周囲からの批判もあり、苦難の道でした。
30歳を超えてから、染織の世界に入った志村ふくみの技術は、めきめきと上達し、4年が経過した頃には高い評価を受けるようになります。
とくに色彩が優れているという評価を受けました。たゆまぬ努力が功を奏し、実力につながったのです。
そして、志村ふくみは伝統工芸の展示会で次々と賞を受け、ついに1990年には人間国宝にも選ばれました。
つねに真摯に染め物に向き合い、植物と対峙する姿勢は高い評価を受けています。
染料となる植物や、蚕から採れる糸、鉱物からできる媒染など、命を授かったかのような感覚だと志村ふくみは語りました。
命と向き合って、感性で自然と向き合い、研鑽を重ねることで、志村ふくみの着物は生まれるのです。
現在では、自分が染め物の世界に入ったことで、手元で育てられなかった娘・洋子さんとともに、工房で活動を続けています。同時に随筆なども手がけており、新聞に連載されるなどの精力的な活動は、いまだに多くの人を勇気づけています。
繊細な筆致もファンが多く、志村ふくみは、執筆した本でも賞を受賞しています。
「美しいものをつくるのではない。心を込めてつくったものが、美しくなるのです。その道程から外れたものは美しくなりません。」といった言葉も残しており、多くの後輩作家にインスピレーションを与えています。
志村ふくみの実母、自分自身、そして娘・洋子さんと、親子三代に渡って、受け継いできた染織の心が、今もなお、継続しています。
志村ふくみは「アルスシムラ」というコミュニティを京都で立ち上げ、染織を学ぶ人を養成しています。
失われつつある伝統工芸を現在に継承させるため、後輩の育成にも力を入れています。東日本大震災では、東北の草木が汚染されたことに心を痛め、活動できないか模索しています。
半世紀以上を染織に捧げ、織物に情を込めています。
志村ふくみは命に向き合った作家です。